鬼の花嫁 ‐巡る季節‐






刹那はにこりと

口元にほのかに笑みを浮かべ小さく呟く。




「“生きているこの瞬間を大事にする”」




その声は優しくて暖かくて…

どこか寂しげに聞こえた。




「刹那とは“一瞬””瞬間”
 という意味の言葉です」

「そうなんだ……」





その名前の由来は

たくさんの解釈ができると思う。



刹那の家系を見ても皆武芸に秀でていて…

つまり、戦争があれば数多の一族が戦に

参戦するのだが刹那の一族はその一つだ。


刹那も私の護衛といつ任についている。


職業自体は

とても…安全とは言い難いものだろう。