ふるっと肩を震わせると
良助くんがゆっくり口を開く。
「…そろそろ戻ろっか」
「そうだね…」
さくさく…と雪の上を歩きながら
居間へと向かう。
朝食もまだ取っていないし、
いくら起きたばかりといえど
良助くんや他の人達の前で
寝巻きに乱れ髪というなんとも
酷い格好で接していた事に今更ながら気付いた。
良助くんと話しながら
居間へと小走りで歩いていく。
火鉢が用意されていて、
居間はとても暖かい。
雪に触れて寒さで赤くなった手を
火鉢に近づけて良助くんと
二人で温めていると
あたし達を気遣って女性が
お茶と朝食までの待ち時間と言って
お茶菓子を運んできてくれた。


