鬼の花嫁 ‐巡る季節‐






目の前には涼さんと水流さんが座り、

水流さんはいつものように

煙管の先に入った葉に火を付け

ふ…と紫煙をゆっくり吐いた。



なんとも妖艶で綺麗だ。



あたしも煙管が似合う女に……

う、うん、無理だな。




水流さんの色香に酔わされ

見惚れるあたしを涼さんは一瞥して、

一口お茶を飲んだ。





「水流、ドレスに臭い付くから
 今は煙管吸わんとき」

「! あっ、ごめんね!」




今にも煙管を折りそうな勢いで

火を消し灰を皿に捨てて、

申し訳なさそうな顔をする水流さんに

あたしは戸惑いがちに首を横に振る。





「いえ…!全然、大丈夫ですよ!」

「い、いざとなったら薬局行って、
除臭なんとか買ってくるから!」

「ふふっ」

「それにしても、
 桜はなんでも似合うねぇ」





涼さんが不意にそう呟いて

あたしはビクッと肩が跳ねた。





「そ、そうですか…?」

「うん!桜色や水色に黒、白に黄色、
 緑、紫、赤…なんでも似合うし
 雰囲気が変わるよね」




水流さんがそう言い、

うんうんと頷き始める。