蝉時雨の中、皆汗を流し
日中の日差しの強さに耐える
蒸し暑い夏の事…
あたしは、
涼さんと水流さんのお店の奥に居た。
白と水色で統一された空間は
色も去ることながら冷房がかかっていて
外とは違い、とても涼しい。
そんな部屋の中で、目の前で
慌ただしく動く水流さんと
同じく作業をしながら指示をする涼さん。
身動きの取れないあたし…
「水流、そこの白い花飾り持ってきて」
「はいっ」
「ちゃう、右の方」
「これ?」
「そうそう。それ4本」
相変わらず眩いばかりの美しさの涼さんは
これまた美しい水流さんから
白い花の飾りを受け取って私の髪に挿した。