「あのっ!私やっぱり帰ります!」


「…………はい?」


やっと説得したのにまだ言うか。
――――という顔でこちらを軽く睨む。


うっ……怖い……

でもでもっ!
彼女さんいる人の家になんて死んでも泊まったりしてはならない。


「だって……彼女さんに悪いですし。」


「は?彼女なんていない。」

「へっ?そうなんですか…………意外。」

「意外か?――――んなこと気にしなくていいから。………んで、あんた名前は?」


「あっ、南 和音って言います!」

「俺、高瀬 蒼ね。よろしく。」



何がどうなってこうなったのかは分からないけど




今はこの人を頼るしかないみたいだ………