君一色




「そんな簡単に家売ることなんて出来ないから安心しな。」

「―――ぇ……」




「――――まぁ、“住めば”なんてちょっと大袈裟だったな。………取り敢えずここで様子見てたら?」

「………」



変な人だ。
見ず知らずの高校生にここまでしてくれるなんて………

ここまで言われたら、もう“はい”と頷くしかなかった。


「俺も付いていってやるから、荷物取ってきなよ。」
「………はい。」