君一色



正直
今帰ったら怖いことだらけだ。

あの男はあの後、家で寝たのだろうか?
―――――お父さんの部屋で……?




昨日あの手で触れられた感覚を思いだし、一気に鳥肌が立つ。


「顔真っ青。」

「でっ……でも!私がいない間に家、売られちゃうかもしれない!私が帰らなきゃあの男にっ………」


思わず力が入り、大声で一気にまくし立てると
彼は“大丈夫”と私をなだめた。