布団を剥ぎ取り、ベッドから脚を降ろすと 久しく感じていなかった匂いが漂っていることに気付いた。 「―――っ……」 香ばしくて 優しい匂い―――― 寝室の襖を少し空け、向こう側を覗いてみると ―――キッチンで料理をしているあの人の姿があった。 食器棚から皿を取るため、こちらを振り向いた彼と目が合う。 あ………/// やばい、なんか恥ずかしい………