「―――っ……いやっ!!!」

バシンッ

「…………ってぇ」


一瞬、やっと力の入った手で男性を振りほどくと
私はすぐさま立ち上がり、そのまま外へと逃げ出した。




――――いらない
いらない
いらないっ…………


「あなたの愛なんて、要らないっ……!」


私は必死に
夏の夜道を走り続けた――――。