「和音――?どうしたの?」

知らぬ間に、足を止めて必死に中を見ていた私に鼓乃実が声をかける。


「え………いや」

あやふやな返事をして、それでもスーパーから目を離ない私に、

「お腹空いたね。お菓子買って行こうか!」

と、少し笑いながらそう促した。


特に入りたかった訳ではなかったが、どうしてもその店員さんが気になる……

「―――うん、買って行く!!」