君一色




「最近どっか行ってるって心配してるみたいだよ、蒼。」


"和音今日もいないんだけど。お前なんか知ってる?"




そう書かれた高瀬さんから恭弥君に当てられたメールに、胸が痛くなる。



「おにーさん達が話を聞いてあげよう!」

そう声を上げると、アパートに向かっていた車がいきなりUターンした。


「えっ!?どこ行くんですか!?」

「話しやすいとこー」


「はい!?」


恭弥くんと凛さんに話すなんて絶対無理なのに!

私の返事も聞かぬ間に、車はしばらくして海沿いの公園に止まった。


「恭弥、外はないでしょ。今何月だと思ってんの」


「まぁまぁ、俺暖かいの買ってくるから待ってて!」



恭弥君はそう言って、私と凛さんを残して走って行ってしまった。



海沿いだから、余計寒い・・・