「んで?なんかあったの?」
結局家に入ることを断念し、アパートまで送ってくれると言う恭弥くんの車に乗り込んでしまった。
「ちょっと用があったんです」
小さい声でそう言うと、今度は助手席の凛さんが後ろを振り向いた。
あまりの美人さと、私の人見知りのせいで凛さんに慣れていないことで思わずドキッとしてしまう。
「出かけること、蒼に言ってきたの?」
「ーーーいえ。大した用事じゃないので」
そう言うと、恭弥君はズボンからケータイを取り出し
それを開いて私に見せた。
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