「じゃ、和音ちゃん!今度ゆっくり話しましょ」
そう言って大きく身体を後ろに回すと、凛さんはヒールの音を鳴らせながら人混みへと消えて行った。
「・・・びっくりしました」
「だろうな。恭弥のこと大好きなんだよ。恭弥は応じてないけどな」
「え、あんなに美人さんなのにどうして・・・」
どう見てもどう考えても
恭弥君の好きそうな感じの女性だったのに。
「それと、高瀬さんが女の人と楽しそうにしてるのも、なんか新鮮で・・・」
そう言うと、高瀬さんは少し恥ずかしそうに頭をかいた。
「まぁ、幼馴染だから小さい頃から仲良かったし。ーーーでも、」
「?」
「仲良くしたいって思った人は、和音だけだよ」
