君一色





「ーーーっ!」


その瞬間の自分の中の違和感に気がつく前に、高瀬さんに引き戻されてしまった。

「和音、コイツ恭弥の彼女」


「ちょっとー、名前を紹介しなさいよ。よろしく!山室凛って言います。蒼と恭弥とは幼馴染で、二人が転校するまで同じ高校だったの!」


笑顔で私に話しかける目の前の女性を、意味が飲み込めない私はしばらくボーッと眺めてしまった。



「ーーーぇ・・・えぇっ!?」

ちょっと待って!?
今、恭弥君の彼女って言ったよね!?




あんなに合コン合コン、
しかも彼女欲しいっていつも叫んでたよね!?


「まぁ、自称彼女だけどな」

あー、なるほど・・・

「失礼ね、正式彼女よ」


あー・・・ん?


ついていけない会話にあたふたしている間に、二人の会話は終わったようだ。