アパートの向かいには、小さな公園があった。 ちょっと前までは、遊具が沢山あって、毎日子供たちで賑わっていた。 この秋に工事があってから、ベンチしか無くなってしまい、最近は誰も立ち寄らなくなってしまった。 俺の部屋のこの窓からは、ちょうどベンチがよく見えた。 「………ぇ」 ぼーっと公園の方を眺めていたとき、思わず声が漏れる。 公園のベンチの横で、誰かが立ち尽くしていた。