不意に、脳内に再び自分の過去が現れようとした。
手にぐっと力を入れ、それを阻止する。

「……何で、引きずってねーよ」

「…だよな、もともと蒼ってそういう奴だもんな」

いつもの声色に戻ると、俺から視線を外し、テレビの方に向き直った。

ふぅ………

無意識にため息が出る。
こういう風に、恭弥に真面目な顔して問われると……焦る。

唯一、俺の事知ってる奴だから……