しばらく沈黙が続き、テレビの音と料理の音だけが部屋中に響く。 ―――珍しい。 恭弥といて静かになることなんてないのに…… なんか、こいつが静かだと……気持ち悪い。 一瞬、恭弥の方に目を向けると、向こうもこっちを見ていた。 「……何だよ。」 ずっとこっち見てたわけ?それも気持ち悪いな。 「蒼、まだ引きずってんの?」 ワントーン下がった真面目な声に内心動揺し、玉ねぎを切っていた包丁の手が止まる。