「恭也くん〜・・・」


「なんか驚かせた?ーーーてか、大丈夫?」



良かった。
ほんっとに良かった。

私は半泣き状態で頷いた。


「蒼は?」

「多分・・・夜遅いと思います。」

「ふーん」

それを聞いて恭也くんは脱ぎかけていたコートを再び羽織る。


帰っちゃうのかな・・・
一人になりたく無かった私は思わず恭也くんの袖を掴んでしまった。

「和音ちゃん?」


「ーーーーヤダ。帰らないで・・・下サイ」


下を向きながらそういう私を見て
恭也くんは噴き出す。


「ぶっ。和音ちゃん可愛すぎ。ーーー分かってるって」


恭也くんを家の中にあげると、真っ暗な中で机を挟んで座った。

「でさ、今日あいつ講義もバイトもない訳よ。」


「ーーーへ?」



「どーこ行ってんだかね」