おかしい。
何でこいつがこんなにシリアスなんだよ。



恭弥は何かを考えているようで
しばらく経って躊躇いながら口を開いた。







「詩織先生がいる。」







真剣な恭弥の口から発せられたその一言が、鋭い刃物のように自分の胸に突き刺さる。



「ーーーんなわけ・・・ないだろ。」


頭が真っ白になりそうなのを必死で食い止め
辛うじて出した声は絶対に震えていた。


「働いてるわけないだろ。」


「ーーーそうだよな」


同意する恭弥の声に内心ほっとした。



「なぁ、俺の事からかってるだろ。まじでやめて、その根拠のない発言。」