いつかのように、心臓の動きが速くなる。 俺———今、和音に触れたい・・・ それは抑えられない衝動だった。 気づいた時にはもう、唇を重ねてしまっていたのだから。 "分かってるよな?お前には誰も幸せにする事なんかできないと" 「—————っ!!」 不意に頭の中で流れた声に、一気に身体の熱が失われる。 "彼女・・・可哀想だな" あぁ、そうだった。 間違った。 間違ってた・・・全部、最初から