しかし
店に入って一時間以上たった頃。
俺は声を挙げた。
「おいっ!やっぱあんた酔ってんだろ!?」
そう思ったのも無理はない。
さっき以上に顔を赤くさせた和音は、今では発する言葉といったら
「ふふふー」とか「へへへー」だけ。
恭弥はすでに潰れて横になっていた。
「これ酒だろ!」
和音のコップを指して問い質しても、ぼーっとしたまま答えない。
仕方なく一口飲んでみた。
「は・・・水?」
中身は本当に水だった。
もう一度和音を見る
「んー?なぁにー?」
「・・・」
————雰囲気でここまで酔えるかっての。
