「申し訳御座いません。こちらの作品は一年ほど前に上映終了となっております。」
そう言って頭を深く下げながらも、今にも笑い出しそうな従業員をみて
終始固まる。
今言われた事の意味が全く分からなかった。
「あ、はい。すみません」
とりあえず頭を下げ返し、和音と一緒にその場から離れた。
—————えーっと?
つまりこの映画は一年前のものだと。
じゃあついこないだ貰ったこのチケットは、
"はめられた"ということで。
「・・・」
まじでくそだ。
腹立たしさと恥ずかしさで何とも言えず立ち尽くしていると
隣で吹き出す声が聞こえた。
