自分でも分かってる。
教師とか、自分に向いてる訳が無い。



それでも
俺は教師になる。
いや・・・絶対、なる。


「来週から教育実習なんだよね。それでスーツ買おうかと思って。あとでみていい??」

「もちろんです!」



その後他愛も無い話をしてると、映画が始まる時間が近づいて来た。


「そろそろ出る?」

「そうですね。———そういえば、何の映画なんですか?」

「え?あぁ」

誘ったくせに、何の映画なのかを言ってなかった。

ポケットから急いでチケットを取り出し、和音に渡す。