封筒を受け取った時に、手が軽く和音の指に当たった。
その瞬間
和音は驚いたように勢いよく顔を上げた。
「熱っ!・・・って、顔色!高瀬さん真っ青ですよ!?」
「え・・・」
「やっぱり。相当具合悪いんじゃないですか・・・?」
「あー・・・ちょっと頭痛するだけ。大丈夫だよ。」
「ダメです、帰りましょう!」
そう言って和音は俺の腕を掴んだ。
そしてグイグイと門の外へと必死に引っ張る。
そんな様子を見て
隣の恭弥が頷く。
「それがいいって。蒼、今日バイト代わるからな!」
「は?いいって・・・」
「和音ちゃんに心配かけんじゃねーっての!和音ちゃん、蒼のことしっかり看病してやってねー」
「はいっ、分かりました!」
更に腕を引っ張る力が強くなる。
流されるように、恭弥に書類を取られ
和音に門の外まで連れ出されてしまった。
今日、ホント情けない・・・
この後また和音に迷惑をかけてしまうのだろうと
情けなくなり、溜息を吐いた。