君一色









「おい、蒼!!」


「・・・・・ぁ?」


「何ボーッとしてんだよ。ほら、提出しに行くぞ。」


目の前にいる恭弥の声で
我に返った。


時計を見ると、既に12時を回っていた。

家を出て大学に着いたはいいが、
頭痛が酷すぎて全く集中出来なかった。


「お前、今日おかしいぞ。具合でも悪いのか?」

「・・・ん。」


「珍しいな。だったらそれ提出したら帰れよ、んで、寝てろ」


「無理。今日バイト。」

「はぁっ?」

ここ最近、立て続けて入るバイト。
それが原因で
いつも以上に合コンの誘いに乗らないことと
和音がいるからと家にあげようとしない事に不満を募らせていたのか、
恭弥は怒り出す。