くじらは昔、陸の生き物でした。


けれどくじらが歩くたび、森の木々は押し倒され、山はえぐれ、動物たちは押し潰されてしまいました。


ある日、森の長であるふくろうはくじらに言いました。


「お前は本当は海に生まれるはずの生き物だったんだよ」


くじらは言いました。


「でも僕はこの森に生まれました、ここが僕の居場所なんです」


「それでもお前は海に在るべきだったんだ」