ぺんぎんの傷は深くて、なかなか治りません。


ぺんぎんはお腹がすいてきたので魚をとろうと海へと向かいました。


飛ぶことができないので真っ白な氷の大地をよたよた歩いて渡ります。


そのうち海が見えてきたけれど、ぺんぎんは羽根が痛くて動かせません。


飛べないぺんぎんは魚をとることもできませんでした。


「どうしよう、ボクはこのままお腹がすいて死んじゃうのかな」


ぺんぎんが辛くて泣いていると海の中からイルカが顔をだします。


「ぺんぎんさん、どうして泣いてるの?」

「お腹がすいたんだけど、羽根が痛くて飛べないんだ」


ぺんぎんがそう言って傷ついた羽根を見せると優しいイルカは魚をとってきてぺんぎんにくれました。


「ありがとうイルカさん」

「どういたしまして、それじゃあお大事に。早く治るといいね」


イルカはにっこり笑ってまた海へもぐりました。