「お前じゃねぇよ!」

「もういないけど…私たちの幼なじみ」

星弥は驚いた顔をした

杏菜もきっと
もういないけど
なんて言いたくなかった

鈴羅も
絵を描いたことを
後悔してる


「星弥に似てるけど、星弥じゃない。俺らの兄ちゃんみたいな存在だった。同い年なのにな…」

斗真が無理して笑う

鈴羅は
それを見て
涙が止まった


「斗真、杏菜、春斗…。帰ろっか」

鈴羅は笑うことなく
星弥からスケッチブックを
取り上げて

歩き出した

「怒鳴ったりしてわりぃ」

「鈴羅が可哀想」

「俺らの気持ちが分からんのは当たり前だけど、勝手に勘違いすんな」