パニック最高潮の私は、口をパクパクさせる事しか出来ない。


もはや意識が飛んでしまいそうだった。


「藍枝さんの恋のノートって、まっさらでしょ?多分男と手繋いだ事も無いよね?」


「そ、そうだけど、アンタには関係が―――」


「あるよ。藍枝さんの恋のノートの答え、全部オレにすっから。早くオレのものになってよ」


赤間の吐息が私の頭にかかって、全身がカッカと熱くなった。


普通の勉強の成績だったら、絶対私の方が断然上。


だけど恋愛の成績については―――…コイツの方がよっぽど、判断材料が無い私より満点に近い。