「あれ?工藤さーん?」

…なんで。

なんでこの人はいつもそんな余裕なの?!

好きって、え?

もしかして好きな人って私の事なの?

あなたみたいなイケメンが私みたいな平々凡々の女を好きに?

どこの少女漫画だ。

そうだよ、"愛"の告白じゃないんだ。

長原さんにとったら『好きだよ。』の前に、『友達として』とか入るんだろう。

やだ私、早とちりして。

「私も長原さんのこと好きですよー。」

ウソではないよ。

イケメン大好きです。

あ、べつにたらしとかじゃないけど!

「…うーん…」

何を悩むか長原さん。

「ま、いいや。」

なにが?

「ねえ、工藤さんの好きなヤツって誰?」

「私?」

好きなヤツ…かぁ。

ショボーンです、なんて言えないよね。

「私はいないかもです…」

「そうなの?」

ふーん。と、どーでも良さそうな返事を返されてしまった。

聞いたのはあなたでしょ。

「しーれーんっ!!おっはよー」

またか。

吹き飛ばされはしなかったものの、また違う女の人。

しかも今日のは可愛い。

絶対モテるだろな。

「…誰アンタ。今日詩蓮はアタシのだからね?!わかったら早く消えてよ。ジャマなんだけど。」

前言撤回。

こいつ性格ブスだ。

でも顔がよければなにされても許されるってあるよね。得だよね。

ちくしょう、美人爆発しちまえ!!