『いっ、てぇー…』 「ぅぐっ……」 兄妹仲良く地面に転がりながら、私は右頬に、大輔は顔全体に――痛む場所へと手を当てる。 そのまま、二人でしばらく痛みに悶えた後――…ふいに、大輔がぽつりと呟いた。 「……これって、俺の勝ちでいいよね…」 『…………はぁ?』 その聞き捨てならない台詞に、仰向けに転がって荒い息をしていた私は眉を寄せる。 チラリと隣へ視線を向ければ、無邪気な笑顔を浮かべる大輔と目が合った。