飛鳥は、昔から体力が無いのが欠点だった。


だから、こういうタイマン勝負の時は、決まって短期決戦を挑んでくる。


しかし、それでも戦いが長引く時は――早く倒そうと、焦り出すのだ。


……それは、飛鳥の唯一の弱点。


そして、今回も――…



『これで…終わりだぁぁあああ!』



飛鳥はそう叫ぶと、俺の懐まで一気に入り込んできた。


同時に繰り出されるのは、体重の乗った威力の高い蹴り。


だけど……残念だったね、飛鳥。



(そんなの、予測してるんだよ!)



俺は心の中で叫ぶと、蹴り出された飛鳥の足を掴んで、こちらへと引き寄せる。


そして、



「おらぁぁぁああああっ!」



バランスを崩して焦る飛鳥の腹へと、全力で拳を叩き込んだ。