呼び方からするに、恐らく私の上級生なのだろう。 ここは、不良ばかりがいる学校。…気を緩めずに対応せねば……!!なんて思いながら振り向くと、 『……………え』 ……極道の人ですか?みたいな顔した人が立っていた。 (…………うわぁ) 刃物のように切れ上がった、黒い一重の瞳。 薄く釣り上がった唇。 そして、無駄に整った顔立ち。 ……これほどまでに『顔面凶器』という言葉の似合う男を、 私は一人しか知らない。