――…当時の私達は、『強さ』を欲していた。
理由は、幼なじみであり『顔面凶器』と呼ばれる男・東。
街を歩けば15分で絡まれるような状態だったアイツは、当時その事でとても困っていて。
それを知った私達は、そんな東の護衛を買って出たのだ。
(今のこの状況も、確かその中の一つ……)
そう考えた、瞬間。
『自分の行いを悔いながら、吹き飛ぶがいい』
『冷酷非道に、叩き潰してあげるから』
『『さぁ――…
貴方達に、裁きの鉄槌を』』
合言葉――全力で相手を潰す時の合図として、私達の間で決めておいたもの――を呟いた私達は
互いの拳を軽く打ち付け合うと、チンピラへと殴り掛かった。