「あ…わ、悪かったって……!」 「「……知るか」」 「ひ…ヒィィイイイイ!総長助けてーっ!!」 「あははー。頑張って?」 「見殺しだ!?」 半泣きの声で結城が走り出すと同時に、雷河と悠途がその後を追って動き出す。 もはや[獄炎]では見慣れた光景に、大輔はニッコリと満面の笑みを浮かべた。 そして。 「ねぇ、待っててね飛鳥。これから俺達が」 ――飛鳥の大事な物、全部奪ってあげるからさ。 無邪気な笑顔と共に 小さく呟かれたその言葉は 誰にも聞かれる事なく 宙に溶けて消えたのだった。