自分の喧嘩ができず混乱し、焦りを見せる苓。 そして――私は、その隙を決して逃がさない。 『――もらったァ!』 私の蹴りを脇腹に喰らって上体を崩した苓の胸を目掛けて、渾身の蹴りを放つ。 そして――… 「あー…チクショー……!」 悔しそうな声と共に、副総長は背中からコンクリートのの床に倒れ込んだ。 一瞬だけ、静寂に包まれる倉庫。 ――…そして。 【ウォォォオオオオオ!】 次の瞬間、野郎共の野太い歓声が倉庫中に響き渡った。 ―――――… ――――――…