『……でも、一つ。お前には弱点があるんだよ』 「――あ゙?」 私の言葉に、低い声で応じる苓。 そのまま繰り出された拳を、同じく拳で迎撃しながら――… 『だから、それを実感させてやるよ』 そう言って、視線を苓の目に集中させた。 そして、その状態で互いの拳を打ち合うこと数回―― 「……チッ!」 ……苓の動きが、目に見えて悪くなり始めた。