『さて。……んじゃ、大将戦の始まりかな?』
呟きながら振り向けば、そこには余裕の表情で立つ一人の男子。
柔らかそうな金の髪を揺らしながら、楽しそうに唇の両端を上げる彼の名前は――苓。
私は彼と視線を合わせ、フッ…と微笑み合うと。
『「ッらぁ!!!!」』
同時に走り出し、それぞれの拳をぶつけ始めた。
――…そして始まる、殴打と蹴りの嵐。
「―――ッ!」『………っ、』
スレスレの位置で拳を避けられ、蹴りをかわされる。
こちらも同じように、当たるか当たらないかの位置で相手の拳と蹴りをかわし続ける。
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