『……東。お前さぁ、顔が怖い事と喧嘩が強い事以外、割と普通…っつーか、むしろ優しいだろ』
「……あぁ、まぁ。そいいう風に心がけてもいるしな」
『しかも…喧嘩が強いのだって、絡まれるから仕方なく応戦してたら強くなったってだけ。
つまり――お前は、相手に攻撃された上でやり返す【カウンター】の方が、得意なんだよ。自分じゃ気付いてないかもしれないけどな』
「それがどうした!」
『は?まだ分かんねぇの?』
私はわざと小馬鹿にしたような声音を出して挑発すると
怒りと共に放たれた東の拳を包むように掴み、自分の方へ引き寄せ――…

