総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜





ぐっ、という小さなうめき声と共に、意識を飛ばしてその場に崩れ落ちる恍太。


その体を空中でキャッチして、近くのギャラリーに渡すと…



「――…じゃあ、そろそろ俺の出番かねぇ」



そんな言葉と共に、ヤクザ――じゃなかった、東が姿を現した。



『あれ?もう幹部?』


「まぁな。…っつーか飛鳥、もう倒れてねぇのは俺と苓だけしか残ってねぇんだけど」


『え゙!?』



驚いてギャラリーを見回せば……



『ほ、本当だ……』



確かに、現在ギャラリーとしてタイマン勝負を見ているのは一度倒した奴ばかりだった。


中には、頬や腕に湿布を貼って観戦してる奴までいる。