総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜





『その攻撃力の高さ、相手に特攻する勇気――それは認めるよ。

けどね、』



私は呟くと、迫り来る睦月の拳を掴み、自分の方へ強く引き寄せた。



「ッ!?」



そして。


身動きの取れない空中で、予想外の方向に動かされた睦月は



『当たらなきゃ意味無ぇんだよ』


「グハッ…!」



驚愕を顔に浮かべたまま、無防備な腹部に私の拳を受け――呻き声を上げて地面に突っ伏した。