『……………っ』 口元を押さえたまま、呆然と思考停止していると…… 「……悪い。止められなかった」 突き飛ばされた雷河が、目を伏せて小さく呟いた。 だけど、それに答える気力も……今の私には、無くて。 口元を覆って床にへたり込んだまま、 「飛鳥……ごめんな」 切なげに呟いて、部屋を出ていく雷河の背中を ただ、見送る事しかできなかった。