近くにあった雷河の顔面へと頭突きを繰り出す私。 すると、頭に衝撃が走るのと同時に部屋にゴスッという鈍い音が響き 「……ってぇ」 雷河の口から、少し掠れたうめき声が漏れた。 (よっしゃ!!) 思いの外簡単に成功した反撃を少し意外に思いながら、私は心の中で快哉を叫ぶと、自分の両腕に力を込めた。 片手で易々と押さえ込まれている手首の自由を取り戻すべく、必死に抵抗してみるけど…… (あ、あれ?) 何故か、ピクリとも動かない。