理系彼氏!

運ばれてきたものはどれもこれも偏った食べ物ばかり。
まるで土方のおじさんたちが好みそうな油っこいものや、そうかと思えば甘いスイーツ。
野菜を探してもそのテーブルで見つかった野菜は私が頼んだサラダ1品だけだった。

「じゃあ、次は女子の紹介よろしくー!」
「はーい」
女子の紹介、というか自己アピールタイムだろう・・と一人苦笑いをする私。
先にみづきが自己紹介をし始めた。

「みづきでーす!悠介の彼女でーす!よろしくねっ!」
「よろしくー!ここの場に華が咲いたねー」
「ふん、俺の自慢の女だからな!」
「わかってるって。ね、先輩!」
「え?ああ。そうだな。」

ノリが悪い、というのだろうか?
でも、きっと私もこういう感じなんだろうな・・。

「じゃ、次は私ー!樹里って言いまーすっ!よろしくねーっ」
「おお、よろしくー。これまた可愛いお嬢さんがきなすったー」
「もうやぁだぁ!」
「本音だよー?」
「口説き文句きたこれー。」
「やだなぁ、倉崎先輩だって手ぇ早いっじゃないっすか。」
「馬鹿言え、俺は最初からみづき一筋だ!」
「ヒューヒュー!アツいねぇー!」

そんな盛り上がりの中、黒髪の・・朝川さんだったかな?
その人だけは一人でお酒を飲んでいる。
飲み会ではないんだけど、こういうのもありなんだよね、きっと。

「じゃぁ次は私たちの可愛い可愛い明日香ちゃん!いじめないでね!」
「ちょっと、樹里。あんたが明日香の紹介してどうするの?明日香、自己紹介して。」「あ・・うん。明日香です、よろしくお願いします。」

地味目な大学生・・だろうな。
どうみても。

「よろしくねー、いくつ?高校生?門限大丈夫?」
「えっと・・今年大学卒業したんで・・一人暮らしだし門限はない・・です。」
「あ・・・そうなんだー。いやぁ、可愛いからさぁもしかしてまだJKか!?って思ったんだよねー。ごめんねー」
「いえ・・お気になさらず・・。」

確か・・この人は大崎さんだったような。
童顔って言いたかったんだろうな。
失礼しちゃうな。
これでも一応大学卒業してるっつーの!