あれから少し痩せた気がする・・。
食べてはいるはずなのに、痩せてきている。
やつれているわけではないんだけど・・
でも、健康的とも言い難い。

おかしいなぁ・・。
病院に仕事に行くなり、知り合いの女の先生が話しかけてきた。

「ねぇ、明日香ちゃん」
「あ、梓乃（しの）先生。どうなされましたか？お薬なら内線で・・」
「んーん。そうじゃないのよ、私これから食事に行くんだけど、よかったら付き合ってよ」

私は、近くにいた先輩に許可をとって梓乃先生と食事に向かった。

「どこでお食事を・・？」
「私に任せなさい。」
「で・・でも、私そこまで持ち合わせが・・」
「いいのよ、私の奢り」

ありがとうございます、と車内で頭を下げる。
梓乃先生の車は赤いスポーツカー。
それでも、車の天井が開いたり・・とかはない。
ごく普通のスポーツカー。
スピードが出そうなあれです。

そんな素晴らしい車を運転する梓乃先生がカッコよく見える私はおかしいのかな・・。

「さあ、もうすぐ着くわよ。」
「え？もうですか！？」
「当たり前、私のお気に入りのお店なの」

着いた先は小さなパスタ屋さん。

「ここ・・・」
「さあ、入って。」

見るからに高そうなんですけど！？
椅子に座ってメニューを見ると、私の予想通り高いものばかり。

「あの・・高くないですか・・？」
「値段は食べてからおっしゃいな」

そんなことしたらお金取られちゃうよー・・。

私は、無難なところでナポリタンを頼んだ。
なにせ、その中で一番安かったんだもの。
いくら梓乃先生が払うからって・・高すぎたらあれだしね・・。

梓乃先生は、カルボナーラ。
クリーミーなのよぉ、とか言いながらウキウキしてる。
でも、いつも誘ってこないのになんで今日は誘ってきたんだろう・・？