理系彼氏!

私は達也くんが好き。
好きだから付き合いたい。
でもそれはノリなのかな・・?
どうなんだろう、ノリって思われるかな?

「ねぇ、明日香さん」
「は・・はい!?」

いきなりの声かけにびっくりした私は変な声を出してしまった。

「なに?どうしたの?」
「なんでもごじゃいましぇん!」

変なところで噛みまくる私に笑いを堪えている達也くん。
少し悔しいけど、仕方ないかな・・。

「明日香さん、このあと暇ですか?」
「あ、はい。暇ですよ」
「じゃ、リュウは実家に預けてちょっと俺に付き合ってくれませんか?」
「でも、明日お仕事では・・?」
「そのくらいでは支障をきたすことはないです。明日香さんはお仕事だったりしますか?」
「いえ・・私は平気です」
「そうですか?じゃあ、遠慮なく付き合ってもらいます」

半ば強引だったけど、でも嫌じゃないし断ることはしなかった。

「どこにいくんですか?」
「あとでわかりますよ」

きっと、今は教えたくないのかもしれない。
追求するのはやめることにした。

「リュウ、もうすぐ秋だね。」

達也くんの腕の中にいるリュウは少しウトウトしている。

「眠いのかな・・?」
「みたいだね。帰ろうか。」
「そうだね。」

リュウを連れて家に戻ると、すぐに出かける準備をはじめる。
リュウのキャリーバックにリュウを入れて、私はそれなりに可愛い服装に着替える。
達也くんは、お財布と車の鍵を持って準備万端といった感じだった。

車にキャリーに入ったリュウを乗せて、私と達也くんも乗り込む。
40分くらい走って達也くんの実家に着くと、リュウは実家に預けられて
私と達也くんはまた車にのって走り出す。
私には目的地を告げないまま、達也くんは目的地へ急ぐ。