理系彼氏!

「ねぇ、告白ってどういう時にするものなの?」
「・・・それ、私に聞いてますか?」
「リュウに聞いてもワンとしか言わないよ、彼は。」
「犬だものね」
「うん、だから明日香さんに聞いてる」
「いつでもいいんじゃない?自分の好きな時に言えばいいんじゃないかな」
「・・そっか。」
「うん。」

いつもながら、ここで沈黙。
でも、その沈黙を破ったのは私ではなく達也くんだった。

「好きです。付き合ってください。」
「・・・なんかの練習?」
「今の流れでそれはないな。」
「じゃあ、本気でリュウを・・?!」
「いや、ケモノとは発展ないし。そもそもコイツ男だし」
「・・いいと思うけどな」

ぐふふ、と笑って見せると達也くんはフッと笑うと話を続けた。
いや、私の言葉を流しただけだと思うけど。

「明日香さんが好きです、付き合ってください」
「・・・正気?」
「うん」
「今日ってエイプリルフール?」
「ううん」
「・・・ぼけた?」
「ううん」
「冗談?」
「本気」
「・・・考えさせてください」
「はい。」


頭が真っ白だった。
私も達也くんが好き。
でも、達也くんからの告白はないだろうと思ってたから驚いた。

「今日は、暗くなってきたし帰るよ」
「うん、気をつけてね」
「うん、おやすみ」
「おやすみなさい」

達也くんが出て行った部屋にはリュウと私が残された。