「もう8時半かぁ・・早いなぁ、もう。」

ブツブツ言っても仕方ない。
出かける用意して家を出た。

集合場所には8時50分頃についた。
そこには、みづきだけではなく樹里までいた。
どうやら、巻き添えをくらったらしい。

「樹里、あんたも巻き添え?」
「まぁね。みづきの強引さには負けるもの。」
「あはは、確かにね。」

みづきも樹里もホステスをしている。
そのため、二人とも並んでも引けをとらない。
そこにどこでもいそうなスカート姿の大学生っぽい女の子がいたら一気に影となるのは目にみえていた。
みづきも樹里も仕事着のような格好で出てきていたからだ。

「樹里もみづきもこういう場所でまで派手をアピールするんだねぇ。」

樹里もみづきも私の友達。
親友と言ってもいいけど、そこまでではないと思う。
まぁ、そういう仲だからある程度の嫌味も受け流してくれる。

「やだなぁ、そういう明日香なんかすごい子供みたいだよ?」
「大学生っぽいと言ってくれる?」
「童顔だからってことじゃない?」
「余計なお世話だ!」

そんな会話をしていると、男性陣がやってきた。
みづきの彼氏、倉崎・・なんとかさんと、これまたチャラくて軽そうな男と、後ろを歩いてきた背の高い黒髪のイケメン。この人だけはチャラくもなく軽そうでもなかった。

私は、黒髪の男性を真面目キャラだと認識したのだが、真面目だったらこんなところに来るだろうか?と疑問を感じた。
でも、そんな疑問はすぐに解消できた。

「きっと私と一緒なのね。」

そう、巻き添えをくらっただけ。
真面目がそんな自分からくるはずもないのだから。