「ごめんね、そういうわけで私はこれで。」

そういうと、「待って」と声をかけてきた男の子がいた。

「なんですか?」
「俺も明日休みだけど、二次会行く気しないんだ。どうせなら近くまで送ってくよ」
「・・ありがとうございます。」

そう言われてしまうと、断りようがない。
しかもチャラくもない達也くんだし、断らなくてもいいと思った。

「たつやん、その子がお目当てー?」

はやし立てるみづきの彼氏に達也くんはまたもシカト。
冷たい・・というよりこれが日常・・?

「おいおい、無視しないでくれよー。俺のガラスハートが粉砕しちゃうよー」
「大丈夫っすよ、先輩のハートは俺がちゃんと修復させるっす!」
「やめてくれよ、俺はお前よりみづきに頼みたいね。」
「嫌よ、自分でなんとかなさいな。」
「冷たいよぉ、はにいい・・」
「うるさい!」

・・賑やかだな・・。

「行くよ」
「あ、はい!」

夜道を二人で歩く。
でも、彼の歩調が早すぎてついていけない私。
息が切れる。
同じデスクワークだし、私のがまだ歩き回ってるよね!?

「あ・・あの・・」
「・・何?」
「もう少しゆっくり歩きませんか?」
「なんで?」
「なんで・・って・・早いからです」
「ふうん、いいよ。」

ペースを落としてくれたのだろうけど、やっぱり早かった。
これは、生まれついての足の速さと長さの問題なんだろうか・・。

私は、帰り道で何も言わない彼に近くまで送ってもらい彼に最後にいった。

「送ってくれてありがとうございました。」
「あ、うん。」
「では・・」

そういって踵を返すと、彼は「ねぇ」と声をかけた。

「はい?」
「あんた、変わってるね。」
「なんで?っていうか明日香です。」
「ああ、明日香サン。」
「変わってるのはお互い様ですよ、きっと」
「だろうな。ありがとう、楽しかったよ。また連絡する」
「はい、こちらこそ。」


そういえば、初芽って人にメアド教えたのに相手からメールが来ないな・・
変なのきたらメルアド変えちゃえばいいかな。

そんなこんなで私はこの忙しい一日を終えた。