ーサイド友衣ー


その後の数日間はお寺の周辺を捜索した。


「三成様ー!」


しかし、喉が枯れるほど呼んでも返事はない。


もう敵に捕まってしまったのかな。


「嫌だっ」


三成様を助けたい。


あの歴史小説の文章が消えたのは、三成様を助けられる可能性があるからだと信じたい。


しかし、そんな気持ちとは裏腹に時間はただただ無情に過ぎていく。


「どうか殿をお救い下さい」


左近様も心配を隠しきれない様子だ。


毎日お祈りをしている。


今も仏間で願っているところだ。


その時、私のいる部屋に法春さんがいつになく慌てた様子で入ってきた。


「大変です!小助が…」